現在のビジネスパーソンがおかれる状況として、仕事のレベルはどんどん上がっていくけれどその量は日増しに増えていく・・・
しかし、残業することは許されないため、短い時間で大きな結果を出す必要がある・・・
目の前のタスクに忙殺されるために改善のためのアイデアを生み出す時間も取れない・・・
これがリアルな姿なのではないでしょうか?
本書はそんな悩みを抱えるビジネスパーソンを救う1冊と言えます。
著者は仕事を短くやる習慣の5原則として以下を上げています。
①優先順位を明確にする
②余計なことをしない
③先延ばしをしない
④人に任せられることを抱え込まない
⑤タイミングを間違えない
当たり前のように聞こえるかもしれませんが、本書を通じてこの基本的な仕事の進め方をどのように実践するかを学びなおすことができます。
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■最短ルートの仕事の進め方
よく言われている「PDCA」サイクルに加えて、「C・PDCA」を意識してみるとよいでしょう。
この最初のCというのは「状況・情報の分析」を意味します。
計画を立てる前にあらゆる情報収集をして取り組むべき方向をしっかりと定めておくことが大事になります。
この段階をおろそかにしていると、結局手戻りになったりするなど、余計な時間をかけてしまうことになりかねません。
そして情報収集後には全体的なタスクを達成するための道筋を考えていくことになります。
その道筋には、局面ごとの小さな到達点を設定してみることも大事です。
いわゆるマイルストーンと呼ばれるものです。
大きなタスクを成し遂げるためには、小さなタスクが必ず生じてきますので、それが何なのかということと、それをどこまでに成し遂げるかを設定します。
その小さなタスクを一つずつクリアしていくと、最終的には大きなタスクを成し遂げることができるのです。
■タスクに取りかかる意識的順序
残業を減らしながらも仕事を効率よく進めていくには、取り組みの順序を考えることにも意味があります。
仕事を短くやるには、難しそうなタスクから着手することが有効とされています。
そもそも難しいタスクには時間がかかるため、後回しにするとさらに良くない結果を招きかねません。
経験したことがない仕事やどうやって取り組んだらいいのかイメージがわかないときには、情報収集にも時間がかかるので、優先順位を上げて取り組み始めることが必要なのです。
いつまでも着手しないことによる心理的な焦りを生じさせないという効果もあるため、着手の順序はやはりかなり大事な観点と言えます。
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■無駄を削るということ
これはやりがちなことですが、やらなくても良い仕事を捨てきれないということです。
過去の習慣からやっている、やっていて楽だから必要以上に一定のタスクに時間をかけすぎる、求められていないにもかかわらず綺麗すぎる資料を作成するなどなど・・・
必ずやらなければいけない仕事にこそ時間をかけるべきなのですが、そうではない状況をつくり出してしまうのです。
仕事を短くやるためには、まず必要な仕事と不要な仕事にきちんと分けることと、そして不要なものを思いきってやらない方向にしてしまうことです。
それが時間を生み出すコツです。
■完璧を目指しすぎないこと
全てのタスクで100点満点を目指す必要はないということです。
こだわりが高いと次に進めるペースを滞らせることになります。
特に上層部への報告には、ある意味骨子が固まっていて話ができる状態であれば、会話する機会をつくることのほうが優先度が高く、その会話の結果として方向性が決まれば、また作業に集中できるわけです。
完璧を求めすぎて報告資料をきれいに整えても方向性が異なれば、また手戻り作業が発生します。
報告先にはできるだけこまめに会話をする機会を設け、方向の軌道修正をしながら進めると非常に効率的なのです。
■日常最も数の多いメールの手数を減らす
毎日対応するメールの数も相当なものだと思います。その対応時間を短くするには手数を減らすことです。
①儀礼的なリアクションはしない
丁寧すぎるお礼メールなどはムダです。例えばお会いした相手に対して「お忙しい状況でしょうから、とくにお礼メールはいたしませんので」と事前に話しておけば、お互いの時間を節約できます。
②メールのCCは必要最小限にする
なんでも関係者をCCに入れておくという行為も関心できません。
CCに入れられた人の時間をかなり奪うことになります。
③会議のスケジュール調整はその場で実施
また追ってメールします、というのが一番時間がかかります。次の予定はその場で決めてしまうことです。
④あまり気の利いたフレーズを使う必要はない
短い言葉で完結に相手に伝わればよいので、凝りすぎないことです。
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■他社の力を存分に借りること
ひとりでなんでも抱え込む人っているかと思います。
キャパオーバーになると仕事が粗くなり、結果としてミスを誘発することになり、仕事が遅くなるという良くない状況をつくり出すことになります。
自分の能力を過信してはいけません。プライドもあるかもしれませんが、きちんとした仕事を進められないことのほうが問題です。
どんどん人の協力を得ることができるようにしましょう。
そのためには日ごろから、この人には何をお願いすれば効果的なのか(得意なことは何か)を把握しておくようにすることが大事です。
また、気持ちよく協力をいただけるような関係性を築いておくことも必要です。
■まとめ
残業を減らすためには、仕事の進め方を見直すことがもっとも重要だということに改めて意識を持っていくことができました。
「生産性向上」という言葉をよく口に出しますが、それを生み出すためには常日頃からの仕事に対するアプローチを積み重ねることが大事であるということです。
基本的なことではありますが、なかなか現実的にできているかというと難しいところもあります。
意識的に取り組むことによって、少しでも状況を改善していければよいと感じました。
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