地獄に落ちた男が、やっとのことでつかんだ一条の救いの糸。
ところが自分だけが助かりたいというエゴイズムのために、またもや地獄に落ちる「蜘蛛の糸」。
大金持ちになることに愛想がつき、平凡な人間として自然のなかで生きる幸福をみつけた「杜子春」。
魔法使いが神の裁きを受ける神秘的な「アグニの神」。
少年少女のために書かれた、健康で明るく、人間性豊かな作品集です。
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■収録されている作品
子供のころに学校の教科書で読んだことがあるなと思い返す芥川龍之介・・
もしくはNHK教育番組で時々やっていた人形劇などで杜子春などがとりあげられていた淡い記憶もあります・・・
でも大人になってからしっかりと読む機会が持てていなかったので、これではいかんと思い、手に取ることにしました。
短編として以下の作品が収録されています。
蜘蛛の糸
犬と笛
蜜柑
魔術
杜子春
アグニの神
トロッコ
仙人
猿蟹合戦
白
有名な作品としては「蜘蛛の糸」や「杜子春」あたりかと思います。
そのほかの作品で自分の印象に残ったものは「蜜柑」「トロッコ」でしょうか。
「蜜柑」はすごく短い作品ですが、幼い姉が奉公に出向く時に、幼い弟たちに向けた行為がとてもほっこりと感じることができる不思議な内容です。
「トロッコ」ではトロッコに興味を持った少年が大人にくっついてトロッコに乗って行動するのですが、だんだんと遠くに来てしまったという不安感、帰りたい・・
そんな気持ちの変化が描かれていています。
自分の子供の頃を思い返してみると、このような感情はよくわかるなあと思わせてくれるような内容でした。
ひととおり読んでみて有名な作品以外にもこんな作品もあったのか!と嬉しい気付きを与えてくれました。
さすが文学賞の名称にも使われている文豪ですね!
■芥川賞とは
芥川賞は年に2回、純文学の作品に贈られる文学賞です。
芥川龍之介の業績を記念して創設されました。
小説家の菊池寛が1935年に創設されたのですね。
文学雑誌「文藝春秋」の社内にある「日本文学振興会」が主催しているようです。
上半期の受賞作はその年の12月から翌年5月までに発表された作品の中から候補が選ばれます。(7月中旬に選考会と発表)
下半期は6月から11月までが対象となり、翌年の1月中旬に選考会・発表があります。発表の翌月には授賞式、さらにその翌月の「文藝春秋」に受賞作の全文が掲載されます。
過去の受賞作品はこちらから参照できますよ。
■まとめ
いままでなかなか手がつけられていなかったのですが、せっかくこのような素晴らしい作品が世にのこされているのですから、触れずにいるのはもったいないですね。
長く語り継がれてきた作品にはやはりそれなりの良さが隠されています。
今後自分の次世代の人たちはこの作品群を目にする機会はあるのでしょうか?
最近の学校の教科書の内容はわかりませんが、芥川龍之介を知る機会はなくさないでほしいと祈るばかりです・・・・
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