読書-Harinezumiの生活

読書好きな自分(読書垢)が読んで本で伝えたいことなどを書いていきたいと思います!

あの日、君は何をした ~まさきとしか~ 正当化はできない母の愛情・・・

『完璧な母親』とは・・・

この作品は、親が抱く子供に対しての感情、そしてその子供はどうそれをとらえているのか?を深く考えさせられる機会を与えてくれたように思います・・・

■あらすじ

母の愛情

北関東の前林市で平凡な主婦として幸せに暮らしていた水野いづみの生活。

息子の大樹が連続殺人事件の容疑者に間違われて事故死したことによりその生活は一変します。

深夜に家を抜け出し、自転車に乗っていた大樹は、何をしようとしていたのか――。

時は変わり15年後、新宿区で若い女性が殺害され、重要参考人である不倫相手の百井辰彦が行方不明になります。

無関心に見える妻の野々子に苛立ちながら、母親の智恵は、必死で辰彦を探し出そうとします。

刑事の三ッ矢と田所が捜査を進めるうちに、無関係に見える二つの事件をつなぐ鍵が明らかになっていきます・・・

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■読み手側の感覚として

中学生の息子を信じがたい事象により失った母親が、それをきっかけに異常な感情を持ち始めるという状況・・

最愛の息子を失ったことに対して気の毒だと思わせる反面で、幸せだったはずの家族関係を自らの手で崩壊させてしまいます・・・

残された家族のことを全く考えない状況に陥ってしまうんですね。

一方、場面が変わり、それから15年後に起こる別の事件が語られ始めます。

読み手としては前段の話とは一体どこでつながるのか?

期待感とじれったさを感じながら経過をたどることになりました。

どちらの事件もそこに登場する母親の息子に対する異常までの執着心が恐怖すら感じさせるレベルになってきます。

 

■ストーリー展開の面白さ

悩む

そして最終的には、その2つのお話が意外な接点で結びつくのです・・・

その接点を見出したのは三ツ矢刑事。

恐らく彼が幼少に体験した事実があるからこそ、この事件の解決につながったのではないかと感じました。

このお話全般に言えることですが、「母親」の立場である女性が数多く登場します。

それぞれの場面で、母親としての子供に対する感情移入が重すぎると感じたのはわたしだけでしょうか・・・

そして、愛情を注がれていた子供の本心とは・・・

知らなくても良い事実もこの世にはあってもいいのではないか?と思わせる複雑な気持ちにさせられました。

一般の母親の方の立場からしたら「自分の子供に対しての強い感情移入は当たり前だ!」とおしかりを受けそうな言い方をしてしまいましたが、その方向が正しくないとすべてを不幸にしてしまいかねない・・・

そんなこと感じた作品でもありました。

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