読書-Harinezumiの生活

読書好きな自分(読書垢)が読んで本で伝えたいことなどを書いていきたいと思います!

ある閉ざされた雪の山荘で|3重構造の展開で読者の頭を悩ませる

ある閉ざされた雪の山荘で表紙イメージ

ある閉ざされた雪の山荘で

劇中の殺人は真実なのか芝居なのか?

俳優を目指す男女7人が巻き込まれる恐怖。

乗鞍高原のペンションに集められたのは、オーディションに合格した男女7名。これから舞台稽古が始まる。

そして雪に孤立した山荘での殺人劇がはじまる。

1人また1人と現実に仲間が消えていくにつれ、彼らの間に疑惑が生まれる。

はたしてこれは本当に芝居なのか? 真実なのか? 

最後まで気の抜けない展開が読者の頭脳を刺激します!

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■クローズドサークルの原点

雪山山荘イメージ

雪に孤立した山荘で、一人ひとり殺されていく・・・ 

このお話の展開は題材が異なっていても、アガサクリスティーの「そして誰もいなくなった」に原点があることは、ミステリーファンであれば感じることだと思います。

分かっていても、どうしてもお話の展開にはワクワクしてしまいます。

クローズドサークルストーリーとしては程よい7名程度の男女。

それぞれの登場人物の名前や性格は読み進めていくうちに自然と読者にもインプットされると思いますので、非常に読みやすいです。

特に、今読んでいるところが、誰の視点で語られているのかを意識しながら読むとよいと思います。

■このお話の特徴

このお話の面白い点は、次々に生じる殺人が真実なのか?芝居なのか?の判断がつかないところでした。

集められたメンバーが俳優を目指す人たちであり、山荘での生活もオーディションという背景があることから読者側にとってはこれは芝居だろう・・・

でもきっとそうではない・・・という錯綜がずっと続くことになります。

芝居だった場合の結末、真実だった場合の結末を必死に考えようとする自分がいるのです。

この時点で作者の東野さんの策略にはまっている感じがしますね。

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■ただのどんでん返しではなかった

山荘トリックイメージ

最後は山荘に隠された意外なトリックと人物に驚かされます。

ただし、真実が分かった後も、登場人物に関わるストーリーにはかなり引き込まれてしまいました。

俳優を真剣に目指しているメンバー個々人の気持ちや背景、そこに芽生えている人に対しての憎悪や愛情など、その背景を知ることによって、はじめて今回の全体のストーリーを心から把握できる感じを受けました。

正直このお話を全部読み切った時には、私個人としてはなんだか気持ちがほっとした感覚でした。

東野圭吾マジックにまたやられました!

 

■映画化されました!

「ある閉ざされた雪の山荘で」は嬉しいことに映画化されましたね!

残念ながら私はまだ視聴できていないのですが、期待をさせる雰囲気を醸し出してくれています!

東野圭吾さんもコメントされていますが、このお話を映像化するには役者さんのかなりの演技力も必要だと・・・

早めに見ておきたいと思っています!

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