普段はミステリー小説が好きな私ですが、時々は日常的なお話も読みたくなります。
小川糸さんの作品は今回初めて拝読させていただきました。
もともと文具が好きということもあったため、「文具店」という言葉にひかれて手にとることになったのもこの本と出合うきっかけでした。
はらはらドキドキするようなミステリーに抱く感情とはまた違った、自分の気持ちを落ち着かせてくれる良い本に巡り会えたと感じています。
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■ツバキ文具店の概要
やっと気づいた。失くしたものを追い求めるより、今、手のひらに残っているものを大事にすればいいんだって・・・
なんだかほっとする言葉でした。
このお話は鎌倉が舞台です。
鶴岡八幡宮の裏手にある「ツバキ文具店」には手紙代筆を仕事にしている代書屋のポッポさんがいます。
お話には様々な人が登場し、その一人ひとりが持つ背景があります。
ポッポさんは代筆依頼者の気持ちや背景をしっかりとくみ取って見事な手紙を書きあげます。
そのひとつひとつのエピソードが非常に日常感にあふれていて、ゆっくりと時間が流れているような感じを与えてくれます。
読んでいて心地がいいのです!
■代書屋のポッポさんから学ぶこと
「代書屋」という仕事があるということを今までしりませんでした。
この仕事を成し遂げるには、どれほど依頼者の気持ちを理解して、その人になりきってあげられるかが大事なのだと思いました。
自分自身が他人に対して、本当にその人のことを理解しようとしても限界はあると思っています。
でもそれをポッポさんは見事にやっている・・・それも自然に丁寧に。
普段人と接することが多い仕事をしている自分にとっては見習うことが多かったです。
■ツバキ文具店のある鎌倉に行ってみたい
自宅から鎌倉まではそれほど遠くないため、今度本当にツバキ文具店があるのか行ってみたい衝動に駆られました(本には地図までありますからね)
それだけ自然にお話が進むので、実在するお店だと感じさせられるのです。
このお話はドラマ化もされていたと思いますが、実はまだ見たことがありません。
今度ぜひ見てみたいと思います。
そして私は単行本で読んだのですが、文庫版もあり、文庫版にはページの角にかわいいパラパラ漫画を見ることができる仕掛けもあります!
読むことにつかれたときにふとパラパラ漫画で気分転換もできます。
すべてにおいてとてもリラックス感を与えてくれる本です。ずっと本棚に置いておきたい1冊ですね。
このシリーズでは「キラキラ共和国」「椿ノ恋文」と続編も登場しているので、私にとっても注目作品です。
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