伊岡ワールドの代表作に心を持っていかれます
■あらすじ
平凡な家庭で育った小学生の圭輔は、ある不幸な事件をきっかけに遠縁で同学年の達也と暮らすことになりました。
この達也という人物がこの物語のキーマンです。
子供ながらにとてもずるがしこく、不快感を感じさせる数々の動きに圭輔は悩まされることになります。
今までの生活から激変し、運命は一転することになった過酷な思春期を送った圭輔は、その後弁護士となるのですが、ある日逮捕された達也から弁護の依頼が舞い込みます。
「私は無実の罪で逮捕されました。私の弁護をしていただけないでしょうか」
裁判をもてあそぶ達也・・・
巧妙に仕組まれた罠。
追い詰められた圭輔はこの悪に対峙できるのでしょうか?
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■装丁から惹かれました
書店で目にした装丁メッセージには、「こんなにムカつく悪役がかつていただろうか。許せない、イライラする、なのに読むのをやめられない!!」
「一気読みを覚悟してからページを開いてください」とありました。
一体どういうことなんだろう?と不思議に思いながらもこのコメントを読んでしまったからには激しく読みたい!!!という気持ちが・・
押さえきれない衝動に駆られてすぐ手にとりました。
私自身、装丁のコメントに影響される機会が実は多くあります。
読むきっかけを与えてくれるこのようなコメントには本当に感謝しています。
このコメントが無かったら、読んでいなかったかもしれないですからね。
■読み進めるたびに不快感
そして初めのうちは、すごく嫌な気持ちで読み進めている自分がいました。
圭輔が被った「ある不幸な事件」に実は達也が絡んでいた・・・・
この達也のずるがしこく、そして彼の巧妙な立ち回りの数々が展開されていきます。
正直なことを言います。
作者の伊岡先生には大変失礼なことですが・・・
私は読みながら、この本を何度壁に投げつけたくなったことか!!
(なんとか我慢しましたけど)
「達也」という登場人物の緻密でずるい考え、そしてその行動・・・
その酷さといったら・・・
そんな中でも最後は痛い目をみることになるはずだと信じて読破しました。
この達也のとてつもなく嫌な感じがどうしても読者の目を離させない効果を生んでいるのだと思います。
これはまさに伊岡ワールド、伊岡マジックなのではないかと思いました。
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■感想
結果読んで良かったと思います。
読んでいる最中のイライラ感から最終的には少し解放された感じもしましたから(笑)
伊岡先生の代表作品としては必ず通るべき道だと確信しました!
このお話は実はHuluでドラマも見ることができます。
映画ではなくドラマなんですね。
だから回を追うごとにイライラ感が募っていく感じが・・・
ドラマではまた違った気持ちでこのお話を振り返ることができましたが、是非はじめは原作を読んでほしいですね。
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