読書-Harinezumiの生活

読書好きな自分(読書垢)が読んで本で伝えたいことなどを書いていきたいと思います!

そうかもう君はいないのか ~城山 三郎~ 妻のことを思う気持ちに変化が生じます


 経済小説歴史小説を牽引してきた作家が、先立った妻を偲び綴っていた原稿。
書評、マスコミ等々で大きな話題を呼んだ「鎮魂の書」。

 

 彼女はもういないのかと、ときおり不思議な気分に襲われる──。気骨ある男たちを主人公に、数多くの経済小説歴史小説を生みだしてきた作家が、最後に書き綴っていたのは、亡き妻とのふかい絆の記録だった。終戦から間もない若き日の出会い、大学講師をしながら作家を志す夫とそれを見守る妻がともに家庭を築く日々、そして病いによる別れ……。没後に発見された感動、感涙の手記。

 

<本文より>
 あっという間の別れ、という感じが強い。癌とわかってから四ヶ月、入院してから二ヶ月と少し。四歳年上の夫としては、まさか容子が先に逝くなどとは、思いもしなかった。もちろん、容子の死を受け入れるしかない、とは思うものの、彼女はもういないのかと、ときおり不思議な気分に襲われる。容子がいなくなってしまった状態に、私はうまく慣れることができない。

 

 実はこの本は、妻から勧められて読みました。城山氏が奥さんのことを優しく語り、
娘さんが城山氏のことを優しく語る。素敵な家族像を感じることができました。奥様のことを思い、作家という自分らしい手段でその思いを残している形が素敵だと素直に感じました。

 

 自分もそうですが、妻に対して言葉で語ることはちょっと照れくさい状況になることが多々あるのですが、このようにしっかりと文章として気持ちを残すやり方もあるんだなあと・・・大切な人を思う気持ちがとてもよく伝わることと、普段何気なく接している妻との時間がとても貴重でうれしいということを思い出させてくれます。

 

 妻はそれに気が付いてほしかったのか・・・

 

 とても良い本を進めてくれたなと感謝しています。この本も手元においておき、時々読み返したいと思っています。

にほんブログ村 本ブログ
にほんブログ村