読書-Harinezumiの生活

読書好きな自分(読書垢)が読んで本で伝えたいことなどを書いていきたいと思います!

絶声 ~下村 敦史~ 遺産相続をめぐる精神的争い


 物語を構築する要素は至って明快なのに、ページを追うごとに謎は深まり、主人公を取り巻く状況は加速しながらめまぐるしく姿を変える。たとえるならば、一級の手品、あるいは数学の名問。今村昌弘氏、感嘆!莫大な遺産をめぐるどんでん返しノンストップミステリー!!

 

 いわゆる大富豪の死に伴う遺産相続争いのストーリです。お金に目がくらんでいる親族。血のつながりはあるものの、他人同然の親族との牽制のし合いなど、そのドロドロ感がよく伝わってきます。その中でまず相続人の大富豪が病気を抱えたまま失踪したという複雑な事情がありどうしても見つからなければ、法定期間の経過により死亡とみなすという状況にありました。そうなれば自動的に相続手続きが行われる・・・

 

 相続される側の親族はその期間経過を待ち望んでいた・・・

 

 そしてようやくその瞬間がやってくるという直前に、相続人が投稿していたブログが更新されたのです!「私はまだ生きている!」と・・・

 

 親族関係者は激しく動揺し、さらに自己中心的な感情をあらわにしていきます。そのブログの真相を探り、物語は進んでいきます。ブログに投稿されている内容とその流れがこのお話のカギになります・・・

 

 とても読みやすく、どんどんお話が進むので読み手を飽きさせない感じです。ラストの結末を知った時に、なんだかすっきりとした気持ちになったのは私だけでしょうか・・・お金は人の気持ちも変えてしまうということはやはり現実にもありうることなのでしょうかね・・・

 

 

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