毎年の人事業務のイベントとして新卒採用という業務があります。
私は現在、技術開発会社の人事責任者として毎年新卒採用面接を担当しています。
担当してもう20年以上になりますが、学生さんの考え方や雰囲気などは時代によりかなりの変化がうかがえます。
ここでは直近数年における採用面接から感じることについて述べたいと思います。
質問を通じて面接官が本当に知りたいことは何か?
面接で何度も不合格になる。
どうして不合格になるのかがわからないという面接に挑む学生さんに少しでも役に立てばと思います。
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ポイント1:面接の会話で人柄と社風の相性を見る
面接の質問ではいろいろと聞かれることは多いかと思います。
学生時代に力を入れたこと、アルバイトは何かやっていたのか?趣味は?などなど・・・
これらの質問に回答する内容や回答する様子を見て、面接官は何を知りたいのかというと、その人の人柄と社風の相性がメインとなります。
面接時間は決して長くはありません。
一人にかけられる時間はせいぜい30分~45分程度。面接官は、普段多くの社員と接していることから、自分の企業にいる社員の人物像や雰囲気をベースに持っています。
面接している学生さんがその人物像や雰囲気にマッチする人なのかどうか?それをいろんな質問を通じて確認しています。
なので、一つ一つの質問の回答内容よりも、そこから発生する会話のやり取りやその人が何を考えながら話しているのかを汲み取って、自分の会社にマッチする人なのかを確認しているのです。
ポイント2:企業への志望動機から知りたいこと
「社会貢献に携わる仕事がしたい」という立派な回答が最近では良く聞かれます。
もちろん素晴らしいことでありますが、企業側が聴きたいポイントとしてはその社会貢献を成し遂げるために、どうしてうちの会社でなければいけないのか?です。
大抵の学生さんからの言葉から受け取れる印象は、自分のやりたいことから探してたまたまその企業を見つけたから受けた。というニュアンスです。
数多くある企業の中から、なぜうちの会社を選んで、うちの会社でなければいけないのか?ということが最も聞きたいことです。
そこで志望動機とともに志望度合いがわかるのです。
それに伴ってうちの会社のことをよく調べてくれているということも分かります。
会社側としては一緒に長く働く人を探しているため、自分の会社に帰属意識が高くなるような人材を求めています。
なので御社に入りたいです!という思いが見えると非常に印象が良いのです。
たまたまあなたを見つけてというよりも、あなたでなければだめなんですと告白されたらどっちが好印象でしょうか?
ポイント3:どのような行動特性があるのか
学業やアルバイトなどの取り組みを紹介してくれるケースは多々あります。
サークル副部長 学習塾の講師というお話は最近とても多いですね。
そこで面接官側からよく聞かせてもらうことは、その取り組みをするにあたってどれくらいの人と関わって、その関わった人数規模がどのくらいで、その中でご自身が自然と立ち回っている役どころはどんなことか?という質問です。
人の気質というものはそう簡単に変えられるものではありません。
多くの人と関わり、自分が中心的な役割になっている人は、恐らく自然とそうなっているのです。
会社のタイプにもよりますが、大きな会社になるほど一人で仕事はできません。
これから多くの人と関わる環境に置かれることを想定して、そこにマッチする人材かどうかを企業側は汲み取るのです。
よくある質問として
面接の最後に、逆に学生さんから質問を受けることがあります。
よく聞かれることとしては、「御社に入る前になにか勉強しておいたほうが良いことはありますか?」という質問です。
とても前向きでよい質問だと思いますが、そもそも企業側は新卒の方に即戦力を求めているわけではありません。
机上の勉強と実践は全く異なるものです。
もちろん自分の底上げをするための勉強はとても立派なことですし、どんどん積極的にやればいいと思います。
決してマイナスになることはありませんから。
でも、できればいろんなことに関心を持ってもらい、それに対してのアプローチを学生という時間のある時にトライしてみてほしいという思いがあります。
せっかく今の時期なのだから、学生時代でしか体験できないようなことをいろいろとトライしてみてもらうほうが、人間性を磨く意味でもよい事なのだと感じています。
まとめ
人事担当としていろいろと書かせてもらいましたが、学生さんにとっても就業先を決めるということは人生の節目としては大切なイベントかと思います。
何がやりたいかを明確にして、自分に合った、自分らしさを出せる企業をしっかりと探してみることは大切だと思います。
また企業側にとっても一緒に仕事をする仲間を探すわけですから、少しでも自分の会社を好きで来てくれる人を見つけたいと思っています。
お互いがwinwinになる状況を目指すための面接はそれがオンラインになろうが大事なことに変わりありません。
学生さんと企業という星の数ほどもある中からの運命のマッチングを目指したいものですね。