久ぶりに長編推理小説をがっつり読んだ感覚です!!
このお話はミステリーのシチュエーションとしてはよくある雪に閉ざされた山荘が舞台となっています。
そこでは当然、交通手段が遮断され、電話も通じなくなるという世界です。
いわゆるミステリー小説の世界では定番の「クローズドサークル」といわれる状態です。
分かっていながらもワクワクしてしまう・・・
ミステリー好きの気持ちをくすぐる作品です!
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■登場する人物たち
舞台となる山荘に集まる面々は「UFO研究家」(そんな職業ほんとにあるのかしら?)など一癖も二癖もある人物達。
突如、発生する殺人事件。
そして、探偵役で「スターウォッチャー」と呼ばれる星園詩郎(ほしぞのしろう)の華麗なる推理が展開されます。
あくまでもフェアに、真正面から「本格」に挑んだ推理小説ですね!
この手のお話の登場人物もだいたい胡散臭い人たちが多くいることが定番です。
アガサクリスティーの「そして誰もいなくなった」がベースになっているような作品はたくさん発表されています。
似たような状況であっても、どうしてもそこに新しい展開を求めてしまうのがミステリー好きなのです。
■倉知 淳さん
倉知さんは1962年静岡県生まれの方です。
93年、『競作 五十円玉二十枚の謎』、翌94年、『日曜の夜は出たくない』で本格的な作家デビューをされます。
以後、ミステリとしての完成度が高いクオリティの作品群を発表され続けています。
2001年、『壺中の天国』で第1回本格ミステリ大賞を受賞されます。
主な作品として『過ぎ行く風はみどり色』『星降り山荘の殺人』『幻獣遁走曲 猫丸先輩のアルバイト探偵ノート』『ほうかご探偵隊』『片桐大三郎とXYZの悲劇』『皇帝と拳銃と』『世界の望む静謐』などなど・・・
私も今後いろいろと読ませていただきたいと思っています!
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■長編でも読みやすいです
倉知さんの推理小説は今回初めて読みました。
装丁のイラストがミステリーそのものを象徴するように興味を引くものでした
(新装版のほうです)。
500ページを超える分量ではありますが、お話の展開は非常にわかりやすく、登場人物もある程度人数限定されるため、混乱することもなく非常に読みやすい内容となっています!
推理小説が初めての人であっても決して抵抗感なく読めると思います。
読み進める時々に、作者からのメッセージが付されており、これから読む場面の展開ガイドがあるのでそれも読みやすさを助けてくれています。
■キーとなる登場人物
中心人物であるスターウォッチャーの星園(いわゆる探偵的役割の人)が繰り広げる論理的な推理とその説明が見事です。
そして最後にはとんでもない結論(大どんでん返し)が読者を待っています!!
最後まで読み進めて良かった!と思えるような展開ですので、是非多くの人に読んでほしいですね!
このお話、映像化を期待したいですね。きっと面白いと思いますので!
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