業務が回らない、緊急ですぐにでもやらなければならない仕事がある、という場合にすぐに考えることとして、増員する(人を増やす)という考え方があります。
自分の会社でも何か問題が生じると人が足りないのでは?
という疑問がすぐに飛び交う傾向にあります・・・
でも果たしてそれが適切な対策なのでしょうか?
十分な人がいてもうまく機能していなければ全く意味がありません。
人が増えればそれだけ仕事も増えてしまったりもします。
※ ※ ※
この本では、一人の責任者が、メンバーとともに知恵を出し合い、新しい概念で効率的な業務をすすめて工場の危機を救うというストーリーです。
正直、ものすごく参考になります。
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■概要(以下の目次構成になっています)
全体的に一人の工場責任者が、日常の生活からのヒントも含めて工場を救ってゆくというストーリーになっています。
マンガゆえに非常に読みやすく分かりやすい内容になっているかと思います。
第1章:工場閉鎖の危機 ~残された時間はわずか3か月~
第2章:会社の目標とは ~新たな3つの指標~
第3章:「理想的工場」の幻想 ~効率を高めれば目標から遠ざかる~
第4章:久々の休日 ~ハイキングと工場で起きていること~
第5章:窮余の一策 ~サイコロゲームがおしえてくれたもの~
第6章:「瓶の首(ボトルネック)」を探せ ~何が工場の能力を決めているのか
第7章:子どもたちのヒント ~ドラム、バッファー、ロープ~
第8章:1本の鎖と全体最適 ~継続的に利益を上げるために~
■この本の要と思うところ
第4章の「久々の休日」がとても面白い気付きを与えてくれます。
複数の子供たちが山にハイキングに行く場面に付き添う主人公が、それぞれ能力の異なる子供達が全員はぐれることなくゴールにたどり着く方法を実践します。
それが工場トータルとしての業務運用のヒントにつながるのです。
ありがちな習慣としては自分の仕事は自分一人でなんとか遂行するということが「正」だと思い込んでしまうことです。
一つのタスクを多くの人数で一気に片づけてしまい、そして次のタスクに移っていくということを実践すると、非常に効率的であることはわかっているのですが、なかなかそれを行動に移すことができない・・・
そんな思いを解消してくれるような第4章でした。
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■感想
日常の業務では個で対応することが非常に効率的だと思いながらも、やはりそれだけでは十分ではなく、前工程、後工程のことを考え、適切な動きをすることが必要になります。
うまくやっているはずなのに、全体感としてはなんか変?という状態もあるものです。
そして、この原書はいわくつきで、同書で紹介しているTOC理論(制約理論:Theory of Constraints)が日本の文化とあまりに一致しているため、「日本で翻訳出版されると、貿易の不均衡がますます加速して、世界経済が破滅する」というエリヤフ・ゴールドラット博士の意向で2001年まで翻訳出版が禁じられていたようです。
それがコミック版にまでなってしまって・・・
マネジメントに多大な影響を与える1冊であることは間違いありません!
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