工夫を凝らした驚愕さ!
細かいことは言いません。この本は実際に読んでいただければその衝撃を味わう(楽しむ)ことができるでしょう!
短時間で読むことができますのでおすすめです!
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■あらすじ
水谷一馬は何げなく開いていたフェイスブックから、過去の恋人である結城未帆子を見つけます。
未帆子にメッセージを送るのですが返信はありません・・・
もともと2人は大学時代、同じ演劇部でした。
水谷は部長で、未帆子はあまり目立たない後輩だったのですが、演技の才能はずば抜けていました。
その数年後、2人は結婚式を挙げる関係にまでなっていました。
しかし、未帆子は結婚式当日に現れず、水谷は心の打撃を受けていたのです。
最初のメッセージから数年後、未帆子から返信があり、水谷と美帆子のメッセージのやりとりがはじまります。
そのやりとりから知ることになる衝撃の真実とは・・・
■ルビンの壺とは
ルビンの壺はデンマークの心理学者エドガー・ルビンという人が考案した多義図形のことです。
表紙にもある黄色い壺は、視点を変えてよく見ると、2人の人間が向かい合っている図にも見えると思います。
①壺が見えるときは壺が図となり他が背景になります。
②人の絵が見えるときは、2人が図となり他が背景となります。
①②を同時に見ることができないことに気づくと思います。片方に意識をしていると片方が背景となり、認識できなくなってしまうという心理学です。
このお話全体がまさに視点を変えて見てみるとどうなのか?を思わせる不思議な内容になっていると感じました。
■感想
全体として(170ページ弱です)、メッセージのやり取り文が続きます。
なのでかなり読みやすく、内容もすっと入ってきます。
それだけに一馬と未帆子の心理的なやりとりがダイレクトに伝わってくるのです。
話の内容に引き込まれると同時に自分の気持ちをコントロールされてしまう感覚も味わえます(やめられなくなるのです)
一馬の本当のねらいは何だったのか?
そして未帆子は何をねらってメッセージのやりとりを続けたのか?
最後の結末を知ったときに、改めて詳細の心理をさぐるために読み返してみたくなる作品です。
ちょっと背筋が寒くなりブルっと震えました・・・
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