川口俊和さんのコーヒーが冷めないシリーズの第2弾です。
ある喫茶店(フニクリフニクラ)の特定の席に不思議な都市伝説があり、その席に座ると、自分が望んだ時間に戻れると言われています。
ただし、以下の面倒なルールがあります。
1.過去に戻っても、この喫茶店を訪れた事のない者には会う事はできない
2.過去に戻って、どんな努力をしても、現実は変わらない
3.過去に戻れる席には先客がいる。その席に座れるのは、その先客が席を立った時だけ
4.過去に戻っても、席を立って移動する事はできない
5.過去に戻れるのは、コーヒーをカップに注いでから、そのコーヒーが冷めてしまうまでの間だけ
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■この本のお話
この嘘がばれないうちにでは以下の人々が登場します。
・22年前に亡くなった親友に会いに行く男
亡くなった親友の娘の父親を務める男は親友に何を言いたいのか?
・母親の葬儀に出られなかった息子
葬儀に出られなかった本当の理由は何だったのか?
・結婚できなかった恋人に会いに来た男
その男を安心させるための嘘とは・・・
・妻にプレゼントを渡せなかった老刑事
過去に戻って妻から言われた思いもかけない言葉とは・・・
愛する人を思う気持ちが生み出した、不器用で優しい4つの「嘘」にまつわるお話です。
■現実は決して変わらないという事実
ルールにもあるように、過去に戻ってどんな努力をしても、現実を変えることはできないとなっています。
現実が、たとえ変わらなかったとしても、過去にもどり、会いたかった人と会話をすることで直面している現実に対して納得感を得ることができる。
結果として過去に戻ってよかったというお話ばかりだと感じています・・・
時には知らなくて良かったのに・・・という過去を追い求めてしまう人もいるのではないか?
と個人的には思ったりもするのですが、安心してください。
この本のお話には不幸になる人はいません。
読んだ人もきっと気持ちがほっこりすると思います。
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■安心させる嘘とは
自分の大切な人を心配させないために嘘をつくことは果たして許されるのでしょうか?
少なからず、自分の過去を振り返ってみると、そのために小さな嘘をついた経験は
あります。
それがそのとき間違いだったかと言うとそんな気持ちもしないのです・・・
でもなぜか時間が経過すると、ふとその時のことを思い出し、その嘘が本当に良かったのか・・・
自分の中で罪悪感が生じてしまうこともあったりします。
そんなときに、あるドラマでのセリフを思い出しました。
「ぽっかぽか」というテレビドラマが過去にありました。
ある夫婦と小さな娘の家族のお話なのですが、そのお話の中で、ある事実を娘に隠さなければならない(良い意味での嘘をつかなければならない)場面が出てきます。
以前から娘に嘘をつくことは悪いことだと教えていたため、その夫婦は「これは嘘ではなく、ないしょのことなんだよ」と言い換えて娘を納得させるのです・・
言葉の響きは不思議なもので、これは嘘ではなく内緒(ないしょ)・・
と言われるとなんだか罪悪感もなくなる気持ちでした。
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