川口俊和さんのコーヒーが冷めないシリーズの第1弾を読んだのはかなり以前のことでした。
ある喫茶店(フニクリフニクラ)の特定の席に不思議な都市伝説があり、その席に座ると、自分が望んだ時間に戻れると言われています。
ただし、以下の面倒なルールがあります
1.過去に戻っても、この喫茶店を訪れた事のない者には会う事はできない
2.過去に戻って、どんな努力をしても、現実は変わらない
3.過去に戻れる席には先客がいるその席に座れるのは、その先客が席を立った時だけ
4.過去に戻っても、席を立って移動する事はできない
5.過去に戻れるのは、コーヒーをカップに注いでから、そのコーヒーが冷めてしまうまでの間だけ
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■誰にでもある戻りたい時間
この本では4つのお話があります。
ある恋人同士、夫婦、姉妹、親子のそれぞれに秘められたエピソードです。
現実を変えることはできないことが分かっていても、過去に戻りたい・・・
でも、その過去の状態を実感して現実に戻った時には、自分の中には現実に対する納得感が得られているというそんな不思議な安堵感を与えてくれるお話です。
■第2話「夫婦」記憶が消えていく男と看護師の話
私自身が一番心を打たれたのはある夫婦のお話。
記憶がどんどん薄れていく奥さんに看護師という立場で接する夫・・・
夫婦という関係から患者と看護師という関係になっていく言いようのない切なさがあります。
看護師である旦那さんは、過去に戻り夫婦関係であった頃の奥さんと会話し、現実に戻ります。
でもその時には自分が夫婦関係を強く意識し続ければいいんだと前を向いて歩くことを決心するのです・・・
自分にも長く夫婦関係を続けている奥さんがいますが、どうしても自身にこのようなことが起こったらという思いでお話を読むため、自然と涙が出てくるのです。
■映像も見ました
このお話は映画にもなっています。
もちろん見ました!夫婦のお話では、奥さんが薬師丸ひろ子さん夫は松重豊さんが演じています。
自分にとっては非常に納得のいく配役でした。
そしてこのシリーズは5巻まで発表されていますが、まだ2巻以降を読んだことがありません。
1巻 コーヒーが冷めないうちに
2巻 この嘘がばれないうちに
3巻 思い出が消えないうちに
4巻 さよならも言えないうち
さらに最新刊として「やさしさを忘れぬうちに」が発表されているようですね。
今後は少し落ち着きながら第2巻以降を読ませていただこうかと思っています。
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