この本での著者の主張は、読書をする際にじっくり時間をかけて隅から隅まで情報を漏らすことがないように読むことは、やりすぎであるということです。
日常的に1日2冊の本を読んで商業レビューを書いている著者も、以前は1ページに5分もかけてしまうほどの遅読家だったようです。
では、速く読むためにはどう考えればよいのでしょうか。
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■読むことが遅い
そもそもいくら熟読をしても、人間の脳では本の内容を100%覚えていることはできないものです。
また、そうする必要もないのです(特定の本が好きで、何度も繰り返し熟読する場合は別だと思いますけど)
その本で重要な1%に巡りあうことが大切だととらえ、たくさんの本を読み、その1%のコレクションをするほうがかえって身になるということです。
「熟読の呪縛」から解かれれば、1週間に10冊読めるようにもなるらしいです。
■フローリーディング
「熟読の呪縛」は学校教育に起因しているところが大きいようですね。
「作者の言いたいことをつかむ」「主人公の気持ちを選択肢から選ぶ」などなど・・・
しっかりじっくり読むことが前提であった背景があります。
フローリーディングは名前の通りで、流れていくように読む読書法で、情報が自分の中を流れるようなイメージです。
①毎日同じ時間に読む
読書の習慣化を目指すには時間帯を決めることが大切とのことです。
短くてもいいのでいつも同じタイミングで実施することが効果的。
よく言われる、頭がすっきりしている朝が最適です。
いわゆる「朝読書」というやつですね。場所もセットで考えるとなお良いそうです。
②早く読める本
読みたいかどうかだけでなく、速く読めそうかという基準で本を選んでみること。
速く読める本を90%、その必要がない本を10%という割合で読むことで習慣化が促されるようです。
③昨日とは違う本
読書を楽しむためには、1冊の本ばかりに時間をかけてはいけないとのこと。
すばやく読んだほうが飽きないし、その本のポイントをしっかり記憶することにもつながるようです。
フローリーディングにより毎日異なる情報が自分の中を流れていく状態を保つことが大切です。
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■あまりこだわりすぎない
ビジネス書や新聞などは短時間で読めるようにそもそも作られている傾向にあります。なので、一部を読み飛ばしても全体の流れが分からなくなるということが無いそうです。
著者自身を語っている部分、個別事例や体験談、などの背景や裏付けの性質部分は飛ばしても問題はなさそうです。
(これは目次からも読むべき箇所が特定できそうですね)
本には「はじめに」という箇所があるので、その本の目的や要約を知ることができます。
全体の方向性やノリを把握するために、この部分は逆にしっかりと目を通しておくことが、その後速く読むために大事です。
そして、その本の大事なところを記憶しておくために、線やふせんを貼るなどもあまりやりすぎもいけないとのこと。
自分の気になる文をさらっと書き出しておく(1ライン・エッセンス)ことを勧めています。
最終的には自分にとってもっとも素晴らしかった1文を選びます。
この本を読んだ価値のすべてがこれです!という状態にすることで、全体感としての記憶が残ることになります。
■まとめ
世の中には星の数ほどの本が日々登場しています。
しかし、もちろんすべて読むことはできません。
それでもなるべくたくさんの本には出合いたいと思う中、奇をてらった速読法などではなく、自分自身に程よく記憶が残る方法で、多くの本に触れることができる手法として、フローリーディングは効果的だと感じました。
大事な部分と、流してよい箇所をうまく見極めていきたいですね。
音楽を聴くような感覚で、なんだか気軽にできそうな気がします。
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