著者の杉山氏はライター歴25年超の大ベテランです。
幅広い媒体での執筆経験を持つ著者は、近年、文章の「つかみ」の重要性が増してきたと指摘しています。
ブログなどもそうですが、いまや、自分の書いた文章を最後まで読んでもらうことは簡単ではないのです。
そのため、出だしのリード文が大事だと言われています。
読者の心をつかみ、先を読ませるような「書き出し」を書くにはどうすればよいのでしょうか。
文章に関わる人すべてにおすすめしたい一冊ですね。
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■読者に文章を最後まで読んでもらうためには
なぜ「書き出し」が重要なのでしょうか。
その最大の理由は、読者が「忙しくなっている」からだと著者は指摘しています。
今の時代、インターネットの普及で、コンテンツの量が膨大に増え、情報の受け手は、文章だけでなく動画や音声など、さまざまな選択肢があります。
そのなかであえて文章を読んでもらうには、「つかみ」の段階で工夫が必要なのです。
良い「つかみ」は、最初の数行だけで何らかの期待を持つことができ、全部読んだときにその期待に応える文章だったと感じさせるものです。
「つかみ」は第一印象に近しいと言えます。そしてその文章量は200〜300字程度が適切と言われます。
うまいリード文は読者の気持ちを惹きつけるだけでなく、自分の考えを最初に相手に伝えることもできます。
文章は「つかみ」にかかっているのです。
そして「つかみ」を制するものは文章全体を制するのです。
■「つかみ」に求められる3つのこと
「つかみ」文書で読者が期待していることは3つあります。
①問題を解決したいという期待
②知的好奇心を満たしたいという期待
③心の栄養を得たいという期待
このような観点を盛り込んで、「つかみ」文書を考えることが大切です。
そして、①~③を満たすために
・最初の数行だけで、期待を持つことができ、続きが読みたくなること
・全部読んだときに、期待に応える文章だったと感じられること
この2点に促すようなライティングをしていく必要があるのです。
ブログも自分目線ではなく、読み手が何を求めているのかを考えて書くというアドバイスは一般的なことです。
読んでもらうためにはいかに読者目線が大切なのかを教えてくれます。
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■出し惜しみはしないこと
最もおいしいネタは出し惜しみしないで「つかみ」に持ってくることが大事です。
それが読者の惹きつけにつながるからです。
最も伝えたいポイントや印象的な言葉、感情・気持ち面など読者の興味を持ちやすいものは初めに持ってくることが大切なのです。
日本の文章(日本的精神?)はメインを最後に持ってくる習慣もありそうですが、それは最後まで読まなければ伝わりません。
せっかく良いことを書いても、最後まで読んでもらえなければ意味がなくなってしまうのです。
■王道の5つのステップ
「つかみ」をつくる5つのステップを紹介してくれています。
ステップ1:何を書くのかの目的をはっきりさせる
ステップ2:要素を出して、何を書くか・書かないかを考える
ステップ3:文章を書きはじめる前の簡単な文章の構成を視覚化する
ステップ4:構成に沿って文章を書く
ステップ5:文章を書き上げたら必ず推敲する
極めて当たり前のことを教えてくれていると思えますが、このステップで普段文章を書いているかと言えばそうではないかもしれません。
あまり気にせずなんとなく頭から一気通貫で書いてしまう機会も多いかと思います。
もう少し頭の中を整理して進めるともっと良い文章が書ける気がします。
■まとめ
このような一冊をきっかけに文章を書くことの楽しさや人に読んでもらえる喜びを実感したいものです。
読者目線で書くことの大切さを改めて感じました。
自分にももっと良い文章がかけるのではないか?と思わせてくれ、モチベーションも上がる内容です。
さらに自分で勉強を進めたい方は、ライティングの教室でじっくりと学習することもお勧めです。
身に付けることができたら自分の一生のスキルとしての文章力は素敵な武器と言えますね。
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