列車という完全なクローズドサークルという状況を舞台に繰り広げられます。
エルキュールポアロの見事な観察力と推理力で事件の真相をつかんでいきます。
冬の欧州を走る豪華列車オリエント急行には、国籍も身分も様々な乗客が乗り込んでいました。
奇妙な雰囲気に包まれたその車内で、過去の悲惨な事件に関わっていたいわくつきの老富豪が無残な刺殺体で発見されます。
偶然乗り合わせた名探偵エルキュールポアロが捜査に乗り出しますが、すべての乗客には完璧なアリバイがあるのです……
ミステリの原点的な魅力が詰まった永遠の名作です。
ミステリー好きであるならば必ず読んでおく1冊と言えるでしょう。
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■エルキュールポアロという人物
「オリエント急行殺人事件」は原題を「Murder on the Orient Express」と言います。
1934年に発表された長編推理小説です。
名探偵エルキュール・ポアロシリーズとしては8作目にあたるそうですね。
ベルギー人の彼の様相は、どんな映像でもイメージを裏切ることはありません。
きちんとしたスーツ姿で、小柄。
そしてトレードマークはまさにという感じの口髭です。
エルキュールポアロのスタイルは、きちんと事件関係者からのヒアリングを徹底することです。
決して想像で物事を考えるのではなく、事実から読み取れることを大事にしています。
他の作品でもその活躍は見事なものです。
私は子供の頃からポアロが大好きでしたので、見事な推理力に憧れを持っていました。
同じ観察眼が優秀という意味ではシャーロックホームズも有名なのですが、その人物像や時々おとぼける感じなどが親近感を抱かせてくれたのだと思います。
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■アガサクリスティー作品への印象
アガサクリスティーと言えば、小中学生の頃に映画で「地中海殺人事件」や「クリスタル殺人事件」など話題も多く、非常に関心があったことを今でも覚えています。
ただし、その時にはまだ読書の習慣もなかったので、クリスティーの書籍までは手が出なかったのです。
読書をよくするこの年になって今回初めて、この有名な「オリエント急行殺人事件を読むことができました!
内容についてはぼんやりとは知っていたこともあり、初めて読む人に比べれば、その意外性には驚きがなかったかもしれません・・
いわゆる列車というクローズドサークル状況における殺人事件であり、容疑者は乗客全員となるわけです!
「この中に犯人がいます」というセリフは推理小説ではよく耳にするかと思います。
その原点的な作品がこのオリエント急行の殺人だと思っています。
その他「そして誰もいなくなった」は現在の数多くの推理小説作家がモチーフにして作品を世の中に出しています。
音楽の世界でいえば、憧れの人の作品をコピーして、その要素を自分の作品にも活かすという感じでしょうかね。
■意外すぎる結末
エルキュールポアロが、数々の登場人物に話を聞いて、緻密な推理をしていく・・・
そしてその話を聞く中で、過去の事件からの紐づきであったり、受け入れがたい事実までが判明していく様は、分かって読んでいてもワクワクするものでした。
やがて事件の真相が明確になり、ボアロが知った事実はとんでもないことに!
最後にポアロがとった判断が正しい事なのか、間違った事なのか?それは読者がそれぞれ感じることなのだと思います。
恐らくポアロ自身にとっても忘れられない事件になったことでしょう。
この作品は間違いなくアガサクリスティーの名作です。
この発想力が1934年に発表されていたということが驚きです。
現代でもその意外性は 十分驚愕に値する内容であり、ミステリー好きであれば必ず読むべき1冊と言えます。
昔から映像化もされておりますが、2017年にも劇場公開されていたようですね。
先日ようやく手にとって視聴することができました。
美しい映像とともに、乗客たちの妖艶な感じがすごくよく醸し出されていました。
ただ少し難を言わせてもらえれば、エルキュールポアロがちょっとダンディーすぎてカッコよすぎること・・・
私の印象は小太りの小さな人というイメージだったので・・・
まあ、でもそのあたりは人それぞれですからね(笑)
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