読書はりねずみの生活

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PayPayによるデジタル給与払いの国内初導入というニュースから感じること

給料


ソフトバンク系10社「PayPay」でデジタル給与払い開始 デジタル給与払い対応は国内で初めてというニュースを目にしました。

私自身ずっと人事領域の仕事をしているので、かなり意識高く目に留まる内容です。

給与支払い手段の流れをたどってみると、昔は給与袋に直接お金が封入されて渡される時代もあり、その後銀行振り込みが通常となりました。

そして今の時代にはpaypayでの支払いが実現化・・・

手段の進化が激しい世の中への対応が着々と進んでいる印象です。

しかしながらだんだんとお金そのものの実態感(価値観)が薄れてきてしまうような気持にもなりますね。

それとは別につい最近には新札も登場してきました。

お金そのものにも注目が集まる瞬間もあるのですが、人々の意識は現実感?使い勝手?どちらに傾いているのでしょうか?

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■給与支払いの本来の法律での扱い

労働基準法

もともと労働基準法では賃金の支払いは5原則として以下のように提示されています


(1)通貨払いの原則
賃金は原則として、通貨(=日本円の現金)で支払う必要があります。

現物給与は換金困難かつ価値が不安定であるケースが多いため、原則として認められません

 

(2)直接払いの原則
賃金は原則として、労働者本人に直接支払いをしなければなりません。

仲介者(ブローカー)を介して賃金を支払うことは、中間搾取につながることから禁止されているのです

 

(3)全額払いの原則

賃金は原則として、全額を労働者に支払わなければなりません。

会社が勝手に賃金の一部を天引きすることは認められません。

労働者の生活資金を十分に確保する観点から、全額払いが原則とされるのです

 

(4)毎月1回以上の原則
賃金は原則として、毎月1回以上支払う必要があります。

定期的に賃金を支給して、労働者の生活を安定させるためです

 

(5)一定期日払いの原則
賃金は原則として、一定の期日ごとに支払う必要があります。

賃金の支給スパンを均等にすることで、労働者の生活を安定させるためです

 

普段何気なく受け取っている給与でも、支給処理側は労働者保護法である労働基準法の原則を常に気にしながら進めているのです。

 

■いざという時に困らないのか?

現金化

気になるのは(1)通貨払いの原則にあるように「換金困難」というキーワードです。

PayPayはもちろんスマホ決済で簡単に買い物ができるので生活上で困る場面は少ないのかもしれません・・・

しかし、今の時代であってもすべてPayPayで解決できるかというとまだ厳しい場面もあるかと思っています。(現金決済のところはまだまだある)

そんな時に、簡単に現金化ができないところが少し気になるところです。

それゆえ、給与のすべてをPayPayで支給してもらうにはまだハードルが高いのではないかと感じています。

最初はある一定分をPayPayで支給してもらうなど様子を見ながらのほうが良いかもしれませんね。

 

■今後予測される事態としては?

デジタル通貨

今回のPayPayで支給が一般的に定着してくるとしたら、今後様々なデジタル通貨での支給が求められてくることになるかもしれません。

地域的には買い物の際に活用すると高い還元率でポイントを得られるものもあるため、人によってはいちいち現金チャージするよりも初めからそちらに給与を支給してほしいという要望も上がってくるかもしれません・・・

それでもまだしばらくはデジタル支給に統一されていくには時間がかかると思います。

それを扱う様々な年齢層の人、インフラ面、支給側のしくみの整備など、複雑な状況を鑑みて感じることです。

私なんかどうしてもまだデジタル通貨を使う気持ちになれない者のひとりです。

現金の手触りなど、現金そのものに価値を感じてしまう人間にとってはまだまだ敷居が高いですね・・・

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