小学校の女性教師が自宅で死体となって発見された。彼女の同僚が容疑者として浮かび上がり、事件は容易に解決を迎えるかと思われたが……。万華鏡の如く変化する事件の様相、幾重にも繰り返される推理の構築と崩壊。究極の推理ゲームの果てに広がる瞠目の地平とは?『慟哭』の作者が本格ミステリの極限に挑んで話題を呼んだ衝撃の問題作。
ミステリ好きであれば、貫井さんの作品も必ず手にすることでしょう!この「プリズム」では小学校の女性教師の死に対して、各章でそれぞれ別の人物の目線で語られていきます。
Scene1では「被害者」の教え子である「ぼく」の視点であり、ぼくから見た信頼のできる先生について語られています
Scene2では「あたし」。これは「被害者」の同僚の視点であり、実はこの被害者は身勝手で自由奔放であったことがわかります
Scene3では「被害者」の元恋人の「おれ」の視点であり、彼にとって「被害者」は女王であったこともわかります
Scene4では「被害者」の不倫相手の「私」の視点であり、あまりあってほしくない人間関係が明るみに出ます
このように「被害者」関わる様々な人の視点で語られてくことにより、「被害者」に
対して初めに抱いていたイメージ像がどんどん変化していきます。人間にはすべての人には見えない側面がかならずあるものだと思いますが、この1冊でそれを強く感じることができます・・・
是非この不思議な感覚を味わってほしい本ですね